「 2016年11月 」一覧

12.忘却した座標【R-18】

12.忘却した座標【R-18】

2016/11/23 斬月

　海への道の手前には、いくつもの低い山が連なっていた。『海へ出ようとしているのに、どうして山ばかり歩かなくてはならないのか』と薫は口...

13.砂の記憶【R-18】

13.砂の記憶【R-18】

2016/11/22 斬月

「よお、死人のくせに元気そうじゃのう」 入ってきた桂に、坂本が陽気に笑いかけた。夜目がきかないのか、灯明からいやに近い位置で無作法に寝転が...

14.有限奈落

14.有限奈落

2016/11/21 斬月

歩くごとに、話すごとに、薫はよく笑った。笑顔に含まれているものが昨日より明らかに少ないことに、剣心は気づいている。隙間だらけの薫の笑い声は、...

1.二度目の春【R-18】

1.二度目の春【R-18】

2016/11/14 滄海桟道

「はい、本日はこれまで！」 「っりがとうっざっしたぁ！」 修練の終わりを告げた師範代と神前に、弥彦は一礼する。それが済むと、蹴り飛ばされ...

2.灰ばらい【R-18】

2.灰ばらい【R-18】

2016/11/13 滄海桟道

「うんうん。似合うで、薫ちゃん！」 「へへぇ、実は一回着てみたかったんです、コレ」 店で揃えた前掛けに身を包むと、薫はくるんとひとまわり...

3.春の燻火【R-18】

3.春の燻火【R-18】

2016/11/12 滄海桟道

「脇が甘いわ、もっと切っ先をよく見て！」 「おう！　……っぁんじゅうはちィッ！　……三十九っ！」 弥彦の拍子に合わせて、薫が竹刀を振り下...