12.忘却した座標【R-18】
海への道の手前には、いくつもの低い山が連なっていた。『海へ出ようとしているのに、どうして山ばかり歩かなくてはならないのか』と薫は口...
るろうに剣心、フルメタル・パニック!、ガンダムSEEDなどの同人小説・漫画保管庫です。
海への道の手前には、いくつもの低い山が連なっていた。『海へ出ようとしているのに、どうして山ばかり歩かなくてはならないのか』と薫は口...
「よお、死人のくせに元気そうじゃのう」 入ってきた桂に、坂本が陽気に笑いかけた。夜目がきかないのか、灯明からいやに近い位置で無作法に寝転が...
政治家やアイドルなんてのに人格があるなんて、考えたこともなかった。 彼らはテレビや新聞の中で不特定多数の人間に語りかけ、笑い、それが自分の...
「頭のツクリ自体は悪くないはずなのよ、ソースケって。問題は、時間をどう取るかよね」 「むぅ」 「アンタね! 真面目に考えてるわけ? 学力...
歩くごとに、話すごとに、薫はよく笑った。笑顔に含まれているものが昨日より明らかに少ないことに、剣心は気づいている。隙間だらけの薫の笑い声は、...
「……あんたって、あんたって、あんたって……!!」 「……すまん千鳥。俺としたことが、つい我を忘れてしまった」 「なぁにが『つい』よっ!...
「はい、本日はこれまで!」 「っりがとうっざっしたぁ!」 修練の終わりを告げた師範代と神前に、弥彦は一礼する。それが済むと、蹴り飛ばされ...
「うんうん。似合うで、薫ちゃん!」 「へへぇ、実は一回着てみたかったんです、コレ」 店で揃えた前掛けに身を包むと、薫はくるんとひとまわり...
「脇が甘いわ、もっと切っ先をよく見て!」 「おう! ……っぁんじゅうはちィッ! ……三十九っ!」 弥彦の拍子に合わせて、薫が竹刀を振り下...
肌寒さで目が覚めた。弥彦は、奇妙な足の痺れを感じて、足元を探る。どうやら、蹴り飛ばした掛け布団のうえに、一晩じゅう足を乗せていたらしい。足の...