鉄壁のブラザー・シップ(5)

「まったく……本来なら軍法会議ものですよ!?」
「はっ。申し訳ありません、大佐殿」
「次は、さすがに私も上にあげなければいけませんからね」
「ご厚情感謝いたします。しかしお言葉ですが、大佐殿。次回同じことが起きた場合、同じ行動をとらないという保証はできかねます」
『私も、軍曹殿の意見に同意します』
「……サガラさん、アル……。あなたたちって人はっ……!」
「このうえは、いかなる処分も受ける所存です」
「……はぁ、もういいです……。今回で十分サンプルデータが取れましたから、『次』はないと思いますし……」
「それは何よりです」
げんなりとしてテッサは注意を終えると、気を取り直してレーバテインを見上げた。あれだけの烈戦を演じたにもかかわらず、レーバテインの表面には傷ひとつついていなかった。
「アル、経緯はどうあれ、あなたの今回の活躍は目ざましいものでした。後ほど、戦闘履歴データをレミング中尉へ提出してください。サガラさんも、後で呼び出しがかかると思います。よろしくお願いしますね」
『「了解です」』
ぐったりとした面持ちで、テッサは格納ドッグから去っていった。
お説教から解放された宗介とアルは、悪びれる様子を微塵も見せない。むしろその顔つきは、誇らし気ですらあった。
「大佐殿には悪いが、アル、今回はいい働きをしてくれた。賞賛に値する」
『光栄です、軍曹殿。私も、今回ほど息の合ったミッションはなかったと自負しています』
胸をはって褒めちぎりあう二人は、奇妙な連帯感を
たぎらせている。満足げな一人と一機に、となりでASの調整を行っていたかなめが不思議そうな顔をした。
「めずらしく仲いいわね、あの二人」
「カナメも、たいがい鈍感だよな」
「モテるわねー、カナメ」
クルツとマオが何を言っているのか理解できず、かなめはきょとんと目を丸くする。眉間を押さえながら、クルーゾーがかなめにたずねた。
「それで、我々3人の起動実験は明日午前9時からということでいいのかな? ミズ・チドリ」
「あー、はい。それでお願いします」
「しっかし、なんかランドセル背負った小学生みたいだな。本当にコレで、さっきみたいなウルトラCができんの?」
「でっかい冷却ユニットを後付けしてるからね。見た目はしゃあないわよ」
「うむ。あとは、パイロットの精神力と集中力次第だ」
「……集中力は問題ないと思うけど……。精神力ね……。大丈夫かしら……?」
「ん? なんでそこで二人して俺を見るわけ?」
ラムダ・ドライバのコア・ユニットを取り付けられたM9三機を前に、クルツが不服そうに口をとがらせた。

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