鉄壁のブラザー・シップ(15)

「あれ、軍曹、また洗濯か? 昨日はシーツで、今日は毛布? やっぱ若者は新陳代謝がいいのかねぇ」
「まぁ……そんなところだ」
ランドリー・ルームで洗濯機に洗濯物を突っ込んでいる宗介を見て、ハマー中尉が雑誌から目を上げた。
「どうせそろそろトーキョーへ帰るんだろ? 帰ってからすりゃいいのによ」
「カナメにセンタクしてもらうんだよな~? ソースケは? ははっ! 死ねよ」
最後のワンセンテンスだけ真顔になって、同じく乾燥機が止まるのを待っていたクルツが口を挟む。
「いや、これはお前が洗濯しろ、と千鳥に厳命されたのだ。コレを千鳥に洗濯させるようなマネをしたら、俺は殺されるかもしれん」
「よくわからんが、男はシリに敷かれるくらいがちょうどいいぞ。うん。円満の秘訣ってヤツだな」
タバコに火をつけるハマーの言葉を聞きながら、全裸のかなめの尻の下にいる自分をやたらリアルに思い描き、宗介は落ち着かない気分になった。
「尻と言えばクルツ。俺の尻の下はへこんでいるか?」
「ああ? なんだそりゃ。しんねーよそんなもん。野郎のケツなんか頼まれたって見てやるもんか」
「ふむ。もっともだ」
「なんだ? 尻が痛いのか? 軍曹? カナメってああ見えて過激な攻め方するん……」
「中尉殿。そういった想像はできれば控えていただきたいのですが」
「こりゃ失敬」
「はは~ん。こりゃ、カナメに言われたな? ケツ見せるなんて、な~にしてたんだか」
「半分は誰の責任だと思っている」
「ん?」
「いや、なんでもない」
「なんでもないってこたーねーだろ! ぺギーが言ってたぜ? 最近サガラ軍曹がコンドームを1ダースくれだの、排卵周期の数え方を教えろだの、よく医務室に……」
ガラリと開いたランドリー・ルームの入り口を見ると、うっとりと頬に手をあてるテッサの姿があった。新品の洗剤を抱えているところを見ると、ランドリー・ルームに併設されている販売機で洗剤を買い求めたらしい。
「サガラさんて、そうなんですね……」
頬を染める乙女とは対照的に、猥談を中断した男三人は、しばらくその場で固まっていた。

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