「 斬月 」一覧

10.無の在処

10.無の在処

客から預かった刀をもう一度刀箪笥から取り出したところで、怪しむ者は誰もいない。それが仕事なのだから。せいぜいが新しい客の刀を預かって来たか、...

11.闇の果て【R-18】

11.闇の果て【R-18】

「戻らん? おまさんとこの緋村がかや?」 「ああ。いつもの通り、幾松のところへ居る間待たせていたら、そのまま……」 声をひそめて話す桂に...

12.忘却した座標【R-18】

12.忘却した座標【R-18】

 海への道の手前には、いくつもの低い山が連なっていた。『海へ出ようとしているのに、どうして山ばかり歩かなくてはならないのか』と薫は口...

13.砂の記憶【R-18】

13.砂の記憶【R-18】

「よお、死人のくせに元気そうじゃのう」 入ってきた桂に、坂本が陽気に笑いかけた。夜目がきかないのか、灯明からいやに近い位置で無作法に寝転が...

14.有限奈落

14.有限奈落

歩くごとに、話すごとに、薫はよく笑った。笑顔に含まれているものが昨日より明らかに少ないことに、剣心は気づいている。隙間だらけの薫の笑い声は、...