5.在る
「お待たせしました。お迎えが来はりましたよ、桂はん」 襖からの声で、桂と剣心が腰を上げる。結局解決策はないままだった。だが、幾松の名を聞い...
るろうに剣心、フルメタル・パニック!、ガンダムSEEDなどの同人小説・漫画保管庫です。
「お待たせしました。お迎えが来はりましたよ、桂はん」 襖からの声で、桂と剣心が腰を上げる。結局解決策はないままだった。だが、幾松の名を聞い...
いらついていた。無性にいらついていた。作戦で三日間徹夜状態で敵の動向を探った時でさえ、今よりは冷静でいられたはずだ。恐怖にも痛みにも屈しない...
抱いていたのは、見たことのない女だった。 歳は剣心と同じ頃だろうか。彼女も行為に馴れていないらしく、ぎこちなく肌を撫でる剣心へ、気恥ずかし...
二度目の邂逅が仕組まれたものであることは明白だった。 『お嬢さんには、朝まで幾松の小間使いをしてもらうことになっているから』 店に着いた...
斬り斬り斬り斬り 発条を巻けば 狂る狂る狂る狂る 歯車がまわる 手持ち無沙汰だった。 連れて来てくれた父親は『用事があるか...
「儂が気づいていないと思うか? 蒼紫」 昼を過ぎて葵屋へ戻った蒼紫に、翁が静かに口を開いた。無遠慮に部屋に入ってきた翁を咎めるでもなく、蒼...
「それからね、今度はこっち。この時間なら、誰もいないはずだから!」 いつになく、引っ張りまわされた。まるで、これまで散々ふたりで歩き回った...
「ねぇ、剣路くん。あれ、お義父さんとお義母さんじゃない?」 本当は、千鶴が声をかける前に気づいていた。 当然の話だ。 自分の姿を鏡で覗...
客から預かった刀をもう一度刀箪笥から取り出したところで、怪しむ者は誰もいない。それが仕事なのだから。せいぜいが新しい客の刀を預かって来たか、...
「戻らん? おまさんとこの緋村がかや?」 「ああ。いつもの通り、幾松のところへ居る間待たせていたら、そのまま……」 声をひそめて話す桂に...